トラウマカウンセリング


過 去の傷を癒し、今と未来を取り戻す
人生におけるトラウマは、時に深い傷を残し、私たちの心に長い間影響を与え続けることがあります。特に子供の頃のトラウマは、無意識のうちに私たちの行動や感情に大きな影響を与え、日常生活や人間関係にさえも影響を及ぼすことがあります。例えば、家庭内での暴力、親の離婚、学校でのいじめ、重大な事故や病気、愛情不足など、過去の出来事が現在に影響を与えている場合があります。
また、親との絆が薄かったり、十分に理解されなかったりすると、自己肯定感や他者との信頼関係に悪影響を与えることが多いです。このような過去の経験は、成人後も無意識のうちに私たちの行動や感情に影響を与え続け、自己評価や人間関係における不安や恐れを引き起こすことがあります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)とCPTSD(複雑性心的外傷後ストレス障害)は、どちらも心的外傷に関連する精神的な障害ですが、その症状や発症の背景にいくつかの重要な違いがあります。以下でそれぞれの特徴を説明します。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
PTSDは、重大なトラウマ的出来事、例えば事故、暴力、自然災害などに曝露された結果、発症する障害です。生死に関わる状況や極度の恐怖、無力感を感じた経験が原因となり、心的外傷後に強い精神的な症状を引き起こします。
主な症状:
-
再体験(フラッシュバック、悪夢、記憶の反復的な再生)
-
回避(トラウマに関連する場所や人々、状況から逃避しようとする)
-
過覚醒(過度な警戒心、睡眠障害、イライラ感、集中困難)
-
感情的麻痺(感情を閉ざし、他者との距離を取る)
特徴:
PTSDの特徴的な症状は、特定の外的出来事やトラウマ体験に反応することです。つまり、出来事が一度だけのものであり、過去に経験した一回の重大な出来事がトラウマの引き金となることが多いです。症状が発症するのは通常、その出来事の直後から数週間、数ヶ月以内です。
CPTSD(複雑性心的外傷後ストレス障害)
CPTSDは、長期間にわたる反復的なトラウマ体験(例えば、家庭内暴力、ネグレクト、感情的絆の欠如、性的虐待など)によって引き起こされる障害です。CPTSDは、通常、繰り返しまたは長期にわたるトラウマの影響によって発症し、症状は単一の出来事ではなく、日常生活の中で慢性的に発生する問題です。
特に、子供時代に親との感情的絆の欠如を慢性的に経験した人は、自分がトラウマを抱えていると自覚していないことが多いようです。親としての役割を果たしてくれたという感覚があるため、その影響を認識するのが難しいことがあります。
主な症状:
-
CPTSDの症状(感情のフラッシュバック、回避、過覚醒、感情的麻痺)
-
感情調節の困難(怒り、絶望、不安、特に罪悪感となどの極端な感情を抑えきれない)
-
自己認識の問題(自己評価が低く、自分を価値のない存在として感じる)
-
人間関係の困難(他者と健康的な関係を築くことが難しい)
-
トラウマに対する過剰な反応(過度な警戒心や、自分が常に危険にさらされていると感じる)
特徴:
CPTSDは複数回のトラウマ体験や長期間にわたるトラウマによって引き起こされます。そのため、症状はPTSDに加え、精神的、感情的な自己の崩壊を含むことが多くなります。CPTSDの人々は、自己に対する信頼感を失い、他者との親密な関係を築くのが非常に困難になることが一般的です。
PTSDとCPTSDの主な違い
特徴PTSDCPTSD
原因1回または単一のトラウマ体験長期または反復的なトラウマ体験
症状の範囲再体験、回避、過覚醒、感情的麻痺PTSDの症状に加えて、感情調節の困難、自己認識の問題、人間関係の困難など
感情への影響恐怖、不安、怒り、無力感など無価値感、怒り、絶望感、罪悪感、自己批判など
発症時期急性期(トラウマ後数週間から数ヶ月以内)長期間(トラウマ体験が続いたり繰り返される)
治療のアプローチカウンセリング、認知行動療法、EMDRなどCPTSD専用の治療(トラウマ焦点治療、感情調節療法など)
治療法の違い
-
PTSDには、認知行動療法(CBT)、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)、曝露療法などが効果的です。これらの療法は、特定のトラウマ体験に焦点を当て、過去の出来事に対する反応を改善することを目指します。
-
CPTSDの場合、子供時代から現在に至るまで脳の発達に影響を与え続けることが多く、また、身体的な症状が長期間にわたって続くことがあります。そのため、カウンセリングのみでの治療では、頭では理解できても感情の調節や身体に現れる症状が残ることがあり、治療が少し複雑になることがあります。このようなケースでは、カウンセリングに加え、ニューロフィードバックやバイオフィードバックを組み合わせた治療が非常に効果的です。
トラウマカウンセリングを受けることの効果
トラウマカウンセリングを受けることで、過去の影響から解放され、現在の生活や人間関係において前向きな変化を感じることができます。カウンセリングの主な効果は以下の通りです:
-
感情の整理とコントロール
トラウマによる感情的な波を穏やかにし、冷静に対処する力を養います。 -
自己肯定感の回復
過去の傷を癒すことで、自分に対する信頼を取り戻し、自己価値感を向上させることができます。 -
人間関係の改善
トラウマが引き起こす不安や恐れを解消し、より健康的な関係を築く力を養います。 -
ストレスや不安の軽減
トラウマからくる過度なストレスや不安感を軽減し、心の安定を取り戻します。
トラウマトラウマの放置がもたらす心と体への影響の進め方
トラウマをそのままにしておくと、心や体に長期的な影響を与え、日常生活に支障をきたすことがあります。感情的な問題や身体的な症状が現れ、自分自身がわからなくなり、対人関係や仕事にも影響を及ぼすことがあります。また、小さなストレスを非常に大きく感じ、ストレスや環境の変化に過敏になります。その結果、人の空気を繊細に読みすぎてしまい、非常に疲れやすくなり、次第に社会との関わりを避けるようになります。このような状況は、生きにくさや強い孤独感を感じさせることがあります。ですので、早期にトラウマに向き合い、適切なケアを受けることが極めて重要です。
PTSDとCPTSD:あなたに合った治療を見つけるために
PTSDとCPTSDは、どちらも過去のトラウマに由来する精神的障害ですが、CPTSDは長期にわたる、または反復的なトラウマ体験に起因することが多く、その結果として、より複雑で深刻な症状を伴うことがあります。治療アプローチにも違いがあり、それぞれの症状に合わせた個別の治療法が求められます。もし、自分がPTSDやCPTSDに関連する症状を抱えていると感じている場合は、ご相談ください。